亜麻仁油の摂取量は適切?
健康のために亜麻仁油を飲んだり料理に使用したりすると考えると、人間は欲張りですから、ついつい必要以上に多く摂ってしまいそうです。しかし、摂取量が多ければ高い効果・効能が発揮されるというわけではありません。
数多くの臨床試験などが行われ、実験データーに基づいた摂取量も提示されていますが、各国の政府によってその量は違っています。専門家でも意見が食い違っており、人それぞれで適量が違うという意見もあります。
厚生労働省が推奨する1日の摂取量
厚生労働省が推奨している摂取量は、亜麻仁油そのものの量ではなく、含有されるn-3系脂肪酸(オメガ3)の量を参考にします。
年齢 男性 女性(g)
18〜29歳 2.0 1.6
30~49歳 2.1 1.6
50~69歳 2.4 2.0
70歳以上 2.2 1.9
妊婦・授乳婦 1.8
α-リノレン酸(オメガ3)は男性では2g〜2.4g/1日が摂取基準量とされています。成人女性では1.6g〜2.0 g/1日が摂取基準量です。男女ともに小さじ1杯程度の量を摂取することで、適量を摂れることになります。
いつ飲むと効果的?
せっかく口にするのですから、その効果を高めたいものです。まず、食品として食事と一緒に飲む方が効果的です。1日の摂取量を一度に摂ってしまうのではなく、数回、といっても食事ですから普通は最大3度になりますが、わけて飲む飲み方が推奨されています。
ドレッシングに使ってサラダを食べたり、スープに混ぜて飲んだりといった工夫もそれぞれの好みで大丈夫です。ただし、亜麻仁油は熱によって酸化しやすい性質があるため、加熱料理への使用はなるべく避けるべきです。大切なのはすぐに効果がないと諦めるのではなく続けることです。サプリメントを利用する場合も食後の薬といった感じで飲むとよいと思います。
妊娠中の摂取量に注意
妊娠中の摂取は本人にもお腹の赤ちゃんにもよいといわれる一方で、控えるべきという情報もあります。効果・効能ばかりに目が行きますが、以下の二点を念頭に置いておきましょう。
亜麻仁に含有されているリグナンは女性ホルモン様物質(植物性のエストロゲン)で、推奨量自体も明らかになっていない成分のため妊娠中は摂らない方がよいという意見と、亜麻仁油に含まれる食物繊維が腸の蠕動運動を促し早産につながる可能性があるという意見があります。妊娠しているのであれば、念のため医師に相談した方が安心です。
アレルギーがある人も摂取に注意
亜麻仁油はアレルギーによい効果をもたらしますが、食物アレルギーがある場合、初めから推奨摂取量を飲むのではなく少しづつ増やしていく必要があります。
まず、小さじ1/3〜半分程度から始めて副作用などが認められなければ、少しづつ量を増やしていくようにしましょう。少ない量から始めるのですから、効果がないと判断するのは早すぎます。適切な量を毎日口に入れていたとしても、3ヶ月程度は様子をみるべきですから、それ以上の期間様子をみるようにしましょう。
3ヶ月を超えても効果があると認められない場合、たとえばオメガ6の摂取量が多過ぎオメガ3とオメガ6のバランスが崩れている(バランスはとても大切です)など、そのほかの効果が表れない要素が間違っていないか確認するようにしましょう。