亜麻仁油はアトピーに効果があるがそれだけでは足りず

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亜麻仁油はアトピーに効果がある

亜麻仁油がアトピーに効果があるといわれるのは、症状を抑制するオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸が多く含まれている油脂であることが最大の理由です。α-リノレン酸を使った療法で改善された報告もあり、アトピーに亜麻仁油は効果があるとして認められています。

 

亜麻の種

 

ただし、亜麻仁油(α-リノレン酸)を摂ればよいというわけではなく、アトピーを改善するには、日本人が摂り過ぎている(摂取量はなんと世界一です)オメガ6系脂肪酸であるリノール酸などのアトピーを促進する作用がある油をできうる限り避けることも必要です。リノール酸がアトピーをひどくしてしまうのは、体内に摂り込まれるとプロスタグランジンなどの炎症を起こす物質に変化するためです。

 

リノール酸とはっきりかかれた油もありますが、ほかにもたくさんの油がリノール酸を含んでいます。たとえば、大豆油、サラダ油、コーン油、ベニバナ油、ヒマワリ油、ゴマ油などがあります。これらはよく耳にすることが多く、必要以上に摂取してしまっていることが容易に想像できると思います。また、アーモンドやピスタチオ、落花生などにも含まれています。

 

日本でリノール酸が世界一の摂取量である理由だといわれるのは、過去にコレステロールを下げる作用があるとされており、積極的に摂る油であるとされてきた経緯があるためです。ところがリノール酸を摂ったところでコレステロールは下がらないことが今になっていわれるようになっています。

 

アトピーの赤ちゃん

赤ちゃんがアトピーになってしまう原因に遺伝もありますが、母乳に含まれるリノール酸の量が多いことが挙げられます。母乳に含まれるリノール酸は、日本は13%、ドイツで9%、オーストラリアで8%と異常に日本人のお母さんの母乳にリノール酸が多いことがわかります。

 

母乳のリノール酸を減らすには日本食を中心にしてリノール酸を極力摂らないこと、亜麻仁油(α-リノレン酸)を摂ることです。母乳でなく粉ミルクを赤ちゃんに与える場合も要注意です。リノール酸の含有量は母乳より多いためリノール酸ができるだけ少ない粉ミルクを与えるようにしましょう。

 

トランス脂肪酸の罠

トランス脂肪酸がアトピーに悪影響を及ぼすという話を聞いたことがあるでしょうか?トランス脂肪酸の摂取量が多過ぎれば、アトピーのほかにも心疾患や不妊、認知症、数々のアレルギーなどを起こす可能性があります。

 

まず、トランス脂肪酸とは何か。脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。炭素の分子の結びつきに二重結合がないものは飽和脂肪酸、結びつきのあるものは不飽和脂肪酸です。

 

不飽和脂肪酸はシス型とトランス型にわけられ、トランス型に分類される脂肪酸はトランス脂肪酸と呼ばれます。自然のものでは牛などの反芻動物の肉や乳に含まれ、マヨネーズ、マーガリン、パンやお菓子、加工食品に使用されるショートニングなどに多く含まれます。

 

それから、カップ麺やレトルトカレーのルーなどのインスタント食品、てんぷら、コロッケなどの冷凍食品、ファーストフードではフライドポテトやフライドチキンなど簡単に食べられて口当たりのよいものに含まれています。

 

しかし、アトピーの原因になってしまうとわかっても、多くの食品に含まれるトランス脂肪酸を全く摂らない生活は無理があると思います。上に書いたもの以外でも植物油、大豆油、菜種油、コーン油などなどにも含まれます。肉食ではなく米を中心とした食生活を行って、お菓子類なども避けるようにすれば多く摂り過ぎることはありません。亜麻仁油の摂取だけでなくこの部分にも気をつける必要があります。

 

食品安全委員会が調査した結果では、日本人の場合には多く摂り過ぎている方の上位5%の平均でもWHOの目標値を下回っています。大切なのは油を多く摂りすぎない、お菓子類もできるだけ食べない、肉類も多く摂らない、意識して摂らないと足りない亜麻仁油などの油脂を摂取することです。